インナーコートの欠点か弱点か・・・

2012.03.31| 社長ブログ

こんにちは、朝日です。

夢工房の標準仕様では室内は全てインナーコート(珪藻土混入漆喰)塗りです。

もちろん「北町の家」もそう。そして問題はここで起きました。

見学会に来られたお客様は口に出さずとも感じたはず。

壁を触ると指が白くなる・・・  フローリングに白い粉が落ちている・・・

 

季節や天候で左右される現場環境。今回はインナーコート施工時に問題となりました。

先ず目地、ビス頭を目埋めした後アンダーコートを全面に施工。完全乾燥後(中2~3日)、トップコートを施工します。このトップコート施工後は風を入れずに徐々に乾燥させます。急速に乾燥が促されると収縮が強くクラックを誘発してしまうから。

そして気温5℃以下の施工もできませんし、5℃以下に下回らないよう注意しないといけません。

冬場の湿度が高く、天候は雨で気温が低い環境はどうか。

その場合、乾燥が促進されず白華現象を引き起こす可能性を高めます。

そう、このトップ施工中にそれは起きました。

今回の採用色は3色。うちホワイトトップコート施工のタイミングが3月上旬の気温低下と雨天が続いた時にちょうど重なってしまったのです。

完全乾燥を待って触ってみるとやはり、カサカサと粉末が落ちやすい状態に。

完成見学会も間近に迫る中、止む終えずこの状態で皆さまに見ていただきました。

本当は完ぺきな状態でのお披露目が良かったのですが・・・仕方ありません。

 

 

見学会を終え、週明けの月曜日からその対策を始めました。

室内を再度養生して、トップを施工。

室内インナーコートの内やく2/3がホワイトでしたので室内はほぼすべて。

 

乾燥を待ち木曜日に壁を触ると・・・ 解決しました。

カサカサもせず、洋服をこすっても白くなる事もなくなりました。

 

 

そう、これで当たり前品質。

 

 

建築現場は刻々と環境が変わる現場。そこは工程や各業者の予定も絡み込み、日々刻々と段取りを微調整、それでも吸収しきれない作業があるのです。それはどんなに用心し準備をしても足りません。

工業製品のように毎日一定の環境で生産するのとは訳が違います。ある意味ぶっつけ本番。いくら腕のいい職人でもそのような複合要因にはかないません。

そうなった場合にも冷静に対処し最大限の効果を発揮させるのがプロの仕事ではないか。

では手間暇はかからないクロス貼りにする?施工性の良い塗装?

夢工房は 「施工性が良い」 「利益率が良い」 「恰好が良い」 「安いから良い」 「良いものをふんだんに使うから単価も高くて当然」 などの観点から家づくりを考えておりません。

 

 

 

人が住まう環境は当然人に優しくなくてはいけない。

それを適切な価格で提供するのには・・・

 

 

 

とりあえずカタチになり住めたとしても、目に見えない作用は必ず起きておりそれは後に大きく影響する事でしょう。

環境の中には「空気」「色彩」「間取り」「動線」色んな要素が含まれます。ホテルのような装飾や造りも一興でしょう。

それは何年も暮らすのに必要か。必要だとしても限られた空間を最大減に効率よく生活できる空間でなければ無駄でしかないと感じます。時には無駄も必要な場合もあります。その使い分けを私たち建築屋は見極め提供するのが使命なんだと思うのです。

 

 

 

住む人の身体、健康、心地よさをないがしろにした住宅を提供して良いのか。

 

 

 

生産性の良い方向に舵を取るのは簡単です。効率も良くなり品質も確保しやすくなるでしょう。

あえてそこに向かわない。それには理由があるから。

それを分かっていただけるお客様を一生のパートナーとして、今後も自信を持って夢工房の家を展開してゆきます。